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故障原因解析事例

パワーターミナル動作不具合

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対象装置 UNI-WIREシステム パワーターミナル

使用環境

■ 2003年より稼働、約13年使用。
■ 年末年始、夏季休暇以外は24時間連続稼働。
■ 温湿度管理がされていない室内設置で、夏は高温多湿(30℃超、60%超)、冬は低温乾燥の模様。

不具合内容

本装置にDC+24V電源を入力しても、POWERランプが非点灯、かつ、出力信号が出ない。

原因解析

解析前不具合現象再現確認(Before)

焼損している積層セラミックコンデンサ

DC+24V電源を入力したところ、POWERランプは非点灯。
内部の基板を確認したところ、DC+24V電源ラインに搭載されている積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)が焼損していることを確認。

不具合原因特定解析

焼損している積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)と同シリーズの新品積層セラミックコンデンサを仮に取り付け、DC+24V電源を入力したところ、POWERランプは点灯した。
故に、不具合現象の原因は焼損している積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)と判断する。

積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)仕様

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積層セラミックコンデンサ 焼損原因解析

本積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)が焼損した原因を特定する為の、各種検査を実施、かつ、結果を示す。

外観検査

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図1 外観捺印面
外観が黒く変色した状態が認められる。矢印部に、溶融したハンダが付着しているのが認められる。

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図2 外観裏面
矢印部に、外観が焼損した痕跡が認められる。

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図3 図2の拡大

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図4 外観上面
矢印部に、外観が焼損、膨張変形した痕跡が認められる。

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図5 外観下面
矢印部に、外観が焼損、膨張変形した痕跡が認められる。

静的特性検査

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※容量、tanδ、ESR全てが測定不能状態であった。

I-V特性検査

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図6 端子間:電極間
短絡特性が認められる。コンデンサとしての機能を果たしていないと判断出来る。
※内部で短絡している為、静的特性検査における各パラメータが測定不能であった、と考えられる。

発熱解析

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図7 発熱解析実施箇所のCCD画像 外観裏面
バイアス条件 0.27[V]/1[mA] 1[Hz]

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図8 発熱解析(CCD画像+熱強度画像)
赤枠内に微小発熱が認められる。この部位において、焼損現象が発生したと考えられる。

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図9 発熱解析(位相画像)
赤枠内に微小発熱が認められる。この部位において、焼損現象が発生したと考えられる。

※焼損現象、すなわち、短絡した元(火事で言えば火元)が特定出来た。

非破壊内部解析:X線画像検査

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図10 X線画像検査 捺印面透視
矢印部に、電極との接続部に剥離が認められる。赤枠内に、溶融したハンダが付着した陰影が認められる。

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図11 図10の拡大

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図12 X線画像検査 上面透視
矢印部に、外観が膨張変形した陰影が認められる。

破壊内部解析-1(外観パッケージ開封):実体光学顕微鏡検査

4_3_6<実体光学顕微鏡検査 捺印面>

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図13 矢印部に、破壊痕が認められる。

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図14 図13の拡大

4_3_6_2<実体光学顕微鏡検査 裏面>

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図15 矢印部に、樹脂が炭化した痕跡が認められる。

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図16 図15の拡大

4_3_6_3<実体光学顕微鏡検査 上面>

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図17 矢印部に、樹脂が炭化した痕跡が認められる。赤枠内に、破壊痕が認められる。

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図18 図17の拡大

4_3_6_4<実体光学顕微鏡検査 下面>

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図19 矢印部に、破壊痕が認められる。

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図20 図19の拡大

破壊内部解析-2(断面剥離):実体光学顕微鏡検査

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図21 断面剥離説明
赤矢印方向より、機械的に約0.1mm研磨を実施して、上面より断面検査を行なう。赤枠内は、上記「発熱解析」(図7~9)にて、特定された焼損現象の発生元であり、その発生元に近づく為の断面剥離を行なった。

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図22 断面剥離前

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図23 約0.1mm断面剥離後 実体光学顕微鏡検査 上面
矢印部に、複数のクラック、及び、破壊痕が認められる。

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図24 図23の拡大

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図25 断面剥離説明
赤矢印方向より、機械的に約0.5mm研磨を実施して、上面より断面検査を行なう。赤枠内は、4-3-4項発熱解析

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図26 約0.5mm断面剥離後 実体光学顕微鏡検査 上面
矢印部に、複数のクラック、及び、部材が黒く変色した痕跡が認められる。

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図27 図26の拡大

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図28 図27の特殊レンズ付き 実体光学顕微鏡検査 上面
複数のクラックが認められる。赤枠内には、積層部分の溶融した痕跡が複数認められる。

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図29 図28の拡大
矢印部に、積層部分の溶融した痕跡が認められる。

考察

原因解析より考えられることを下記に整理する。

  • 1. POWERランプが非点灯、かつ、出力信号が出ない不具合現象の原因は、DC+24V電源ラインに搭載されている積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)の故障と考えられる。
  • 2. 積層セラミックコンデンサ(Type 105シリーズ)の故障内容は、上記「静的特性検査」「I-V特性検査」より内部の短絡による故障と考えられる。
  • 3. 内部の短絡の発生箇所は、上記「発熱解析」より、外観裏面側の上面付近の内部にて発生したと考えられる。
  • 4. 内部の短絡が何故発生したのかは、上記「非破壊内部解析:X線画像検査」「破壊内部解析-1(外観パッケージ開封):実体光学顕微鏡検査」「破壊内部解析-2(断面剥離):実体光学顕微鏡検査」より、内部構造体の焼損、炭化、クラック、破壊痕、積層部分の溶融より、過大な電流が瞬間的に流れたものと推測される。
  • 5. あくまでも推測の域を脱し得ないが、DC+24V電源ラインに、過大なインパルス電流、若しくは、サージ電流が重畳してしまい、まず積層部分の溶融が始まり、溶融により短絡状態が引き起こされ、短絡により焼損、炭化、クラック、破壊に至ったものと推測される。
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